2025年10月19日、静岡市のジャズクラブ〈ライフタイム〉にて「栗田丈資のジャズピアノスクール お披露目会(発表会)」を開催しました。
午後から夕方まで、多くの生徒さんがそれぞれのステージに立ち、思い思いのジャズを奏でてくれました。
緊張の中に笑顔があり、一音一音にその人の歩みと個性が滲み出る——そんな豊かな時間でした。
プロの(小泉好弘ドラムス、吉田昭嗣ベース)リズムセクションとの共演による臨場感、本番ならではの集中力、そしてその場でしか生まれない“音の会話”。
それぞれのステージが物語を持ち観ているこちらが胸を熱くする瞬間がいくつもありました。
ジャズは譜面通りに弾くことよりも、「その瞬間にどう感じ、どう応えるか」。そこにこそ、音楽の自由と人間味が宿ります。
私は70年代に、ボストンの Berklee College of Music に留学していましたが、その時に強く感じたのが「環境の力」です。上手なプレイヤーの中にいれば居るほど、自分の演奏まで自然と変わっていく。共演するたびに、自分の感覚や耳、タイム感が引き上げられていくような不思議な力が感じました。良い音、良い集中、良いエネルギーが集まる環境こそが、学びを最も早く、そして深くしてくれる——その体感は今も鮮明です。
だからこそ、私のスクールでは“環境づくり”も大切にしています。
レッスン内容もジャズ100年の歴史を広く見渡し、スウィング、ビバップ、モーダル、コンテンポラリー、ラテンまで、
生徒一人ひとりの興味と方向性に合わせて柔軟に対応しています。当スクールでは「その方が今、何を表現したいのか」を軸に、その人の個性を引き出すカリキュラムを心がけています。一人一人のモチベーションを保つ事は継続の大切な要素です。
今回のお披露目会の終盤では、数名の生徒によるブルース・リレーが行われ、予定調和のないセッションも有り——まさにジャズの精神そのものでした。
最後は私自身が “Stella by Starlight” を演奏し、この一年の歩みをかみしめました。
音楽の道に終わりはありません。
しかし、良い仲間と良い環境の中で鳴らされた一音は、確かに誰かの心に届き、次の音へと繋がっていきます。
出演された皆さん、応援してくださった皆さま本当にありがとうございました。これからも“音で学び、音でつながる場所”としてのスクールを育てていきたいと思いました。