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2021 / 07 / 10

彩り通信 掲載コラム Vol.7 「異文化に触れて」

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私のアメリカ留学生活・・・早く肝心な大学生活のお話をした
いと思っているのですが、それ以前に生活を始める段階において
日本人として 慣れない事がたくさんありました。時はいまから40年
以上前の事です。私は大学の寮に入りそこで偶然日系のアメリ
カ人と共同生活を始めました。

寮は元ホテルだったものを大学が買いあげたもので、特に高級
でもない普通の安価なホテルの部屋に住んでいた状態だと想
像して下さい。まず何が慣れなかったかというと、朝から寝るまで
靴を履いたまま・・・つまり土足生活です。私のルームメイトのア
レックス君は寝る時も靴を履いたままだったりしてました。最初に
見た時は驚きました。そこで私の場合は部屋に入れば靴を脱い
でスリッパに履き替える生活をしていました。日本人そのものです。

ソファとテーブルがあっても何故かソファに座らず床に腰掛けて

しまうようなそんな日本人的感覚です。

また反面、アメリカ人は今度は寮内や、時には天気の良い日
に表通りも裸足で歩いたりしていました。部屋の中まで土足という
事は結局外も中もないという事ですね(笑)

それから”バスルーム”今でこそ当たり前ですが、風呂の中にト
イレがある、トイレの中に風呂がある、これが結構違和感があ
りました。風呂は体を洗うところ、トイレは用を足すところという現実
的で合理的なものでそこにこれ以上何が必要ですか?みたい
な考えです。私は最初のうちはバスタブに湯を溜めて入っていま
したが、横目にトイレが見えるのがなんとも情緒がなく、
結局すぐにシャワーのみとなってしまいました。

海外で生活をすると常に日本を振り返る事が習慣となりますが、
日本人の意識とアメリカ人の意識は当然異なるという事を理
解しました。全ては歴史的背景や先人の習慣等がわたしの日
本人としての価値観の根本にあったわけですが、先ほどの風呂
の話で言えば日本人が風呂で安らぎを求める、湯船に浸かっ
て一日の疲れを取るのですから全く違いますね。海外生活とは
旅行とは当然異なるわけで全ての事柄にこちらが相手に合わせ
なくてはいけないわけですから、”郷に入れば郷に従え”ですね。

私はボストンのバークリー音楽大学にジャズピアノの習得のた
めに渡米したのですが、次回は私にとって大切なピアノの師
匠との出会いについて語ります。

(栗田屋本店 彩り通信 掲載コラム2018/10)

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