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2021 / 05 / 29

彩り通信 掲載コラム Vol.4 「ルームメイト」

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さて今日は少しボストンについてお話しをしておきます。東海岸ニューヨークから北に約
400キロの距離。人口は約60万人、ニューイングランドという地域名を持ち住宅街など
はまるで古き良きイギリスそのものです。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学
(MIT)などなど多くの大学があるアメリカ有数の学園都市、そして金融都市の側面や
医療研究機関などが多く存在し、アメリカの頭脳といわれる程の凝縮したさまざまな機
関が存在しておりました。私の在籍したバークリー音大はハーバード大学からMITを過
ぎてすぐに安倍川程のチャールズ川を渡ったところにありました。有名なボストンマラソンのゴール地点が大学から徒歩5分くらいの
ところでした。なによりボストンはアメリカ建国の地故に、ボストンの日本の姉妹都市が京都というのもうなずけますし、なるほ

ど!と思いました。古きの中に近代が取り入れられた街なんです。私の通った大学近郊はほとんどこの現在の静岡の便利さと

変わりませんでした。アメリカというと広大な土地、車が無いと生活できない?と想像する方も多くおりますが、大学が街の

ひとつの区間にたくさんの施設を設けており、本館、別館、いくつものコンサートホール、大講堂、大小の教室、教授棟、

学生の個人の練習室や、リハーサル室、レコーディングスタジオ等々です。また生活に必要なスーパーマーケット、コンビニ

(すでに40年前にありました)銀行に郵便局、レストランにライブハウス・・・・そして地下鉄の駅に高速道路、空港まで20分

と大変便利なところでした。

留学初日無事に入学、入寮出来た私は運命のルームメイトにも会いました。彼はヒゲもじゃの外人で突然「ボク アレちゃん、
ヨロシク!」と話掛けてきました・・・そうです!日本語で!実は彼はハワイ出身でアメリカ人の父と日本人の母のハーフ、サックス
専攻で名前はアレキサンダー君、幼い頃に日本に住んだことのある人でした。私はとっさにこんな事を思いました。日本語が通じる
とは難しい英語を助けてもらえるが、だがしかしあまり日本語ばかり使うと自分の英語の勉強にならないのではと思いました。

海外生活をされた方はよくわかると思いますが、実は海外でその国の言葉が話せないという事は、どうかすると”あかんぼ”以下

という事になるのです。さらに言葉が出来ないと最悪は命に関わることもありえるのです。バスの乗り方ひとつ間違っただけでいわ

ゆる治安の悪い地区に迷いこんだり(実際に経験しました)そしてちょっと風邪をひいたくらいでも病院に行くのがおっくうにな

るのです。理由は英語のやりとりがストレスになったり、聞き取れないのです。

実はこのアレックス君の日本語はいわゆる幼児語なのでした(笑)子供の頃に日本にいたせいでしょうか?ヒゲもじゃの外人が赤
ちゃん言葉で話してくれるのでかなりユニークだったのです。でも彼には英語の事で随分助けてもらいました。

 

 

寮は元ホテルだったので各部屋にバストイレが付いておりカフェテリア(食堂)は地下にあり、

 

 

個人練習室が1階に100室程あり、

おまけに教室もビル内にあるために一日中外出しないですんでしまう事がよくありました。そんな中入寮して1週間もたたない

ある夜、わたしがシャワーを浴びていると突然火災報知機がけたたましく鳴り響きました。洗髪中だったので慌ててしまいました

・・・・・続く

(栗田屋本店 彩り通信 掲載コラム 2018/7)

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